第6章 銀に釣られて…
俺はその時、暗闇の先が見えていた。
(これが猫人種の夜目の力か…、便利だな)
「蛇?二匹…と、蝙蝠?じゃないな、昆虫っぽいのが一匹だ」
「ロックスネークと…キラーバグね
でも、なんでキラーバグがここに?」
(ガブリ)エルはもう剣を抜いて戦闘体勢になっていた。
「まあ雑魚には変わらないから、ティアナはキラーバグを狙って!」
「分かったわ
猫左衛門は私の後ろに…」
ティアナは弓を構え狙いを定めた。
(さすが実戦慣れしてる…)
俺は一応、暁丸に手を掛けた。
『今のお前じゃ足手まといだ』
暁丸がダメ出しをする。
「そうかもしんないけど…」
そんな事を言ってる間に、2mくらいのゴツゴツした蛇が迫ってきた。
(ガブリ)エルは素早く剣先を走らせると、一撃で一匹目の蛇の頭を切り落とした。
『あの男、良い腕をしている』
暁丸が呟いた。
「お前、見えるのか?」
『小僧を通して、見たり聞いたりしている』
「…勝手に人の身体使ってんじゃねぇよ」
何で俺の周りには勝手な奴ばかりなんだ…。
「猫左衛門!伏せて!」
ティアナが叫んだ。
前から巨大な虫が牙を剥き出しにして向かって来ていた。
慌てて地面に伏せると、直後にティアナが矢を射った。
シャーッ!!
矢は見事に虫の顔面を捉え、キラーバグは絶命した。
ちょうど(ガブリ)エルももう一匹のロックスネークを仕留めていた。