第5章 初冒険!
「さあ、初冒険へ出発だ」
と言いたい所だが、暁丸は今は飾り物で戦う事は出来ない。
どんなモンスターがいるのかも分からないし、戦闘はティアナと(ガブリ)エルに任せるしかない…。
鉱山の入り口は相当頑丈に作られた要塞って感じに見える。
「…これが鉱山の入り口?」
「魔法銀はとても貴重で高価な物だから、国が厳重に管理してるのよ」
なるほど、国の宝箱ってやつか。
「さあ、小猫ちゃん行くわよ」
俺達は許可証を見せて、つるはし片手に中へ入った。
鉱山と言うより、実際には広大な地下ダンジョンと言った方が正しい。
「…で、その魔法銀ってどこにあるんだ?」
「近くは採り尽くしたから、奥まで行かないと…」
ティアナも(ガブリ)エルもここには何度も入ってるから案内には困らない。
「なぁ、モンスターってどんなやつなんだ?」
「えっ、小猫ちゃん知らないの?」
(ガブリ)エルは大袈裟に驚いていた。
「俺のいた世界には、モンスターなんて想像物でしかないからな」
「ん?小猫ちゃんのいた世界って?」
(ガブリ)エルが聞き返すと同時にティアナが割り込んだ。
「あっ!そうね!ここのモンスターは蛇系と蝙蝠系よ!
ねっ!エル!」
無理矢理に話題を変えた。
「えっ?あっ…そうね
ここはロックスネークやスカルバットがほとんどよ」
ティアナの肘が俺の脇腹に突き刺さった。