第5章 初冒険!
酒場と言っても、冒険者達には仕事の依頼や情報交換の場でもあり、基本的には24時間年中無休だ。
もちろん朝から飲んだくれている冒険者もいるが…。
「ひっく…ようティアナ~
そんな猫野郎より俺と飲もうぜ」
「ティアナ!これから一緒に古城探索に行かないか?」
「狩りの依頼があるんだ
手貸してくれない?」
酔っ払いから屈強な冒険者までティアナに声をかける者は多い。
「へぇ~、人気者なんだな」
俺は感心した。
「…嬉しくないわよ」
ティアナはムスッとした顔で呟き、誘いを無視して店の二階へ上がっていった。
二階はランクの高い冒険者が多いらしく、ちょっと落ち着いた雰囲気だ。
「あっ、いたいた…」
ティアナが一人の冒険者に近寄った。
「ハイ、ティアナ♪
久しぶりね」
その冒険者はいきなりティアナを抱きしめた。
(…こいつ、オネェか?)
結構がっちりした身体をしてるが、ピンクの軽鎧にナヨッとした仕草と独特な言葉遣い…。
「あら…、この小猫ちゃんは?」
俺と目が合った。
「こ、小猫って…
俺は猫左衛門だ」
「モフモフで可愛い!」
俺にも抱き着こうとしたから、咄嗟に後ろへ跳んで逃げた。
「へぇ~さすが猫人種ね
素早いわ」
こいつ目付きがちょっと変わった。