第4章 何で俺が…
「小僧、マヨネーズをたくさん作っとけ!」
ローズが命令する。
「え~っ!あれ作るの大変なんすよ」
「ぐだぐだ言ってないで、さっさと作りな」
背中を向けているが物凄い威圧感がある。
仕方なく大きなボウルに卵の黄身と油と酢を入れて、塩で味付けしひたすら掻き混ぜる。
「なぁローズは魔法を使えるんだろ?」
「なんだい?やぶからぼうに…」
否定しないって事は…。
「いや、みんなの反応見てるとローズに頭が上がらないみたいだし、とんでもない魔法使いっぽいからね」
「ふんっ、そんな魔法が使えたら、こんな寂れた食堂なんかやってないよ
…けど、なんで魔法の事なんか聞くんだい?」
鼻で笑われてしまった。
しかし、自分で寂れたって言うか?
「あはは…
魔法が使えるならいろいろな武具に魔法の力を付けられるかと思ってね」
ゲームでお馴染み属性魔法の付与が出来れば、素人でも戦闘に有利だからね。
「あんた面白い事を考えるね
確かに魔法使いの中には炎や氷の魔法を武器の様に使う奴もいるし、防御魔法もあるが、それを武具に使うなんて奴はいないね」
やっぱりゲームの様にはいかないか。
「はい、マヨネーズ出来上がり!」
(あれ?なんか早く出来たな)
俺はマヨネーズのボウルをローズに渡した。