第4章 何で俺が…
「さぁ続きだ!」
にこやかに命令するディアス、呆れ顔の俺とティアナ。
「ディアスって嫌われてないか?」
俺は小声で聞いてみた。
「それが騎士にも冒険者にも人気なんだよね」
ティアナは苦笑いした。
(あれで人気者って事は、ディアスは意外と天然なのかも知れないな)
その後の訓練では、ティアナとほぼ互角に戦える様になった。
「…ちょっとぉ~急に強くなってない?」
ティアナはちょっとムッとした表情をした。
「何とかコツは掴めたからな
獣人の力はまだ出せないけど…」
「二人共良い感じだったぞ
猫左衛門は、明日から俺が相手してやる」
ディアスは相変わらずニヤッとしながら言って退ける。
「何で俺だけ…」
ティアナがホッとした表情をしていると…。
「おっと、ティアナには別の相手を用意してやるからな」
「え~っ!まだやるのぉ!?」
ティアナはがっくりと肩を落とした。
二人と別れて、店に戻るとローズは仕込みをしている。
「…何だい?今日は早いね」
ローズは背を向けているのに、俺の事が分かる様だ。
(このババァ、背中に目があるんじゃないのか?)
「あぁ、明日からディアスと訓練する事になったから…」
「ほう、もうディアスに認められたか…
少しはやる様だな」
ローズに褒められた様な気がした。