第4章 何で俺が…
朝飯を食べ終え、後片付けをしているとティアナが店に顔出した。
「…ティアナ?
こんな朝からどうした?」
「それが…、アニキが…」
「猫左衛門、剣の訓練するぞ!」
ティアナの後ろからディアスが爽やかな笑顔で入ってきた。
「…もう来たのかよ」
俺はディアスの爽やかな笑顔にげんなりした。
「小僧、刀は預かっておくぞ」
ローズがいつの間にか暁丸を持っていた。
「ローズ、それは…」
「どうせ今の小僧じゃ抜けないんだ
ちょっと貸しとけ」
言い出したら聞きそうもない。
ローズの事だから何か理由はあるんだろうけど…。
「はいはい…」
「『はい』は一回で…」
「あっ!行ってきま~す!」
「お待ちっ!!」
ローズのフライパンより木剣で打たれた方がマシだ。
ここはダッシュで逃げる。
「あっ!ちょっと猫左衛門どうしたの?」
後ろでティアナが騒いでいるが、それどころじゃない。
「先に行ってるぞ!」
騎士団で待っていると、二人が息を切らしてやって来た。
「はぁ…はぁ…、あんなに速く走れるんだ!」
「猫人種の力が使えるようになったのか?」
「へっ?普通にしか走ってないけど…」
どうやら、無意識だと力が出るようだ。
それじゃあ使い勝手悪いだろ…。
「…まぁ、訓練前のウォーミングアップには良いランニングだった」
それでもディアスは爽やかな笑顔だった。