第4章 何で俺が…
翌朝、ローズに叩き起こされ朝飯も食わず、眠い目を擦りながら市場に仕入れへと向かった。
「小僧の世界にはどんな料理があるんだい?」
ローズが突然そんなことを聞いてきた。
「どんなって言われても…
素材の違いはあっても、こっちとあまり変わらないと思うよ
煮たり、焼いたり、炒めたり…」
ローズは少し考えてから…。
「…小僧の世界の料理を食ってみたいな」
とんでもない事を言い出した。
「えっ?料理?何で?」
「料理人としては珍しい料理は食べておきたい
違う世界の料理なんて、そうそう食えないからな
帰ったら何か作れ!」
確かに正論ではあるが…。
「いやいや、作れと言われても料理なんて炒め物くらいしか出来ないよ」
「四の五の言うな!
これから朝飯は小僧の仕事だ、良いな!」
これは完全にブラックバイトだろ。
「朝飯の食材は小僧が選べよ」
「はいはい…、あっ…」
ローズにギロッと睨まれた。
とりあえず、こっちに来て食べた食材で使えそうな物を選んだ。
「これって生で食べれる?」
一応、毒性の有る無しなどをローズに聞いて食材を決める。
(これでなんとかなるか…)
仕入れを終えて店に戻る。
「さっさと朝飯作りな」
急かすローズをよそに、俺は仕入れた食材を前に料理を考えた。