第3章 紅の銘刀
とりあえず、俺達は職人エリアを後にし、王立魔法委員会の建物へ向かった。
「王立魔法委員会?
何かすげぇ堅そうな名前だけど、何する所なんだ?」
(王立って事はやっぱり役所なんだろうな…)
「私もよく知らないんだけど…
ここは魔術を研究したり、古代魔術を探したり、新しい魔法道具の試験をしたり…
結構大変な仕事みたいよ」
ティアナは簡単に答えた。
「…ところで、この世界の人達はみんな魔法が使えるのかい?」
至極、当たり前な質問をしてみた。
「魔法を使うにはエルフ族の血を引いてないとダメね」
(出た~っ、ファンタジーで定番のエルフ族!)
でも、この世界でもエルフって言うんだ。
「エルフはもう遥か昔に絶滅してるんだけど、先祖にエルフの血が入ってると魔法が使えるの…」
…って事は魔法が使える人はエルフの血を引いてるって事か。
「じゃあ、魔法使いって限られてるんだな」
「私は使えないけど、三人に一人は使えるかな…」
「へ?だってエルフが…
えっ?何で?」
こっちのエルフって希少な存在じゃないのか?
「エルフ族って、この世界の最初の人類って言われてるのよ
その後に他の人種が生まれて、今ではほとんどが混血なの…
獣人の中にも先祖にエルフとの混血がいて魔法を使える人もいるわよ」
俺の知ってるファンタジー世界のエルフとはちょっと違うのか。