• テキストサイズ

俺の異世界奮闘記

第3章 紅の銘刀


刀を受け取ったダットンは、何か考え込んでいる様だった。
「う~ん、こりゃあ猫坊主の様な小僧が持つ剣じゃないぞ」
(ここじゃ俺は小僧としか呼ばれないのか…)
ダットンも刀を抜こうとしたが、やはり抜けなかった。
「とりあえず返すぞ
錆びてる訳じゃねぇ…
その“刀”って奴の意志が抜かせねぇんだ」
「刀の意志?
いやいや、物に意志なんてないでしょ!?」
俺はダットンに反論した。
「ったく、だから素人は…
この“刀”って剣を作った職人は凄まじいくらいの名工だよ
魂を宿らせる事が出来る職人なんて、千年に一人…、いや万年に一人だな
俺が知る限りじゃ、伝説の名工パイストルくらいだ」
(本当に物に魂を宿らせるなんて事、出来るのか?)
俺は疑問に首を傾げた。

「だったら、そのパイストルさんに頼んでみたら?」
ティアナに言われ、俺はポンッと手を叩いた。
「お~、そうだな
その人なら手入れ出来そうだ」
「馬鹿者、パイストルはとっくの昔に死んでおるわ
まったく、誰がこんなすげぇ剣を打ったんだ?」
ダットンは羨ましげに刀を見詰めた。
「じゃあ、これは絶対抜けないんだ…」
「猫坊主がそいつに認められれば抜けるだろうな
抜けたら手入れは任せとけ」
ダットンは俺の背中を叩いた。
/ 134ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp