第11章 スカーレットと新作料理
「…ところでシャルルはここで何してるんだ?」
シャルルは大きなボウルに向かって風魔法を使っていた。
「え~と、師匠から言われた魔法の訓練で、魔法力の調整が出来るようにって…」
ボウルの中にはマヨネーズが出来上がっていた。
「なるほど、風魔法でマヨネーズの撹拌をしてたのか…」
「でも、これ、力加減が難しいんです
だから訓練になります!」
(はは~ん、あのババァ、マヨネーズ作りをシャルルに任せる気だな)
「まあ、訓練とマヨネーズ作りの一石二鳥だな
…頑張れよ」
「はい、頑張ります!」
シャルルは素直で良い。
「よし!俺もうどん作りすっかぁ!」
しかし今日から売り出すって、ほんとにブラックだよな。
その日も店は大繁盛で、俺は鉄板の前でお好み焼きと焼きうどんを作り続ける。
「このウドンってやつ美味いな!」
「俺はやっぱりお好み焼きだな!」
「このマヨネーズソースが堪らない!」
こんな声を聞くとやっぱり作って良かったと思う。
もちろん今までのローズの料理も好評で、接客しているティナもシャルルも大忙しだ。
「こっち、焼きうどん一つ、お好み焼き二枚!」
「こっちも焼きうどんお願いします!
それと、白身魚のマヨネーズソース入りました」
ティアナには報酬を出してると言っていたけど、シャルルは俺と同じでタダ働きだよな…。
まあ、俺と同じ居候だけど、シャルルは魔法を教わってるから文句はないか。
「はい!焼きうどんとお好み焼き、お待ちっ!」
俺は何にも教わってないんだけどね。
何とか、今夜も無事に閉店だ。
焼きうどんも好評で良かった。
「小僧、次の新しい料理も早く作れよ!」
あのババァ、どんだけブラックなんだ。