第11章 スカーレットと新作料理
「料理は一人暮らししてたから自己流だよ
まあ、あっちこっちでバイトしてたからある程度の作り方は分かるけどね」
「あの…猫さんがよく言うバイトって何ですか?」
シャルルが首を傾げる。
「あぁ、バイト…ね?
そう…だな…臨時の店員みたいな感じかな?」
苦しい説明しか出来ない。
「それじゃあ、ここで働いてるのもバイトって事ですか?」
「ああ…まあ…似たようなもんかな…あはは…」
苦笑いがやっとだ。
「でも、本職じゃないのに凄いですよね
私も料理出来るようになりたいです」
シャルルがキラキラした目で俺を見た。
「まあ、シャルルなら器用だし、すぐ出きる様になるだろ?」
真面目だし、見た目はほぼ可愛いウサギだけどティアナより女子力高そうだからな。
「そんなに器用じゃないですよ」
「そうか?魔法使いって器用なイメージあるけどな…
そういや、今日はローズに移動魔法教わったのか?」
ローズが移動魔法を教えてやるって言ってたよな。
そんな便利な魔法があれば大助かりだ。
「それが…」
シャルルはやけに暗い顔をした。
「まさか、あのババァに虐められたのか?」
「そうじゃなくて…
私、まだ風魔法しか使えなくて無属性魔法の使い方からなんです…
移動魔法まではちょっとすぐには…」
シャルルは申し訳なさそうな顔をした。
「そっかぁ…、でもまぁ初めから何でも出来る奴なんていないし順番に覚えれば良いさ
それにシャルルはちゃんとみんなの役に立ってるから、そんな顔すんなよ」
シャルルの頭を撫でた。
「もう!…子供扱いしないで下さい」
そうは言いながらも耳がピョコピョコしていた。