第11章 スカーレットと新作料理
ローズが認めないと作り直さなくてはならない。
固唾を飲んで見守った。
「…ふん、味付けにマヨネーズを使ったのか?
炒めても使えるのか…この『めん』…
これはどうやって作った?」
ローズの目付きが変わる。
「粉を水で捏ねて生地を作り、薄く伸ばし、細く切って、軽く茹でてるんだ」
ざっくり行程を説明した。
「ほぉ…、小僧の料理は面白い料理ばかりだな
まあ、みんなの評価も悪くない様だ…
…小僧、これから忙しいぞ」
ローズに認めてもらったが、これも俺が作る事になるんだよな。
(しまった…作るんじゃなかったか?)
でも、まあみんな笑顔で食べてくれるなら良いか。
「それでは私はこれで…
猫左衛門にはまた何か依頼すると思いますが宜しくお願いしますね」
スカーレットが俺を指名した。
「俺?…まあ、手が空いてれば…ね」
そう言ってローズを見た。
「ふん、小僧はうちの店員なんだから、手抜いたらただじゃ済まないよ」
(これって、店も依頼もどっちも手を抜くなって事だよな)
「はいはい、頑張ります…」
ローズがフライパンを握る前に素早く距離を取った。
「ふん…逃げ足だけは早くなったか
まあ良い…、さっさと麺を作りな
今日から出すからね!」
(…また無茶振りだ)
おとなしくキッチンに戻って麺作りを始めた。
獣人のパワーを使えば、生地作りは早い。
生地を寝かせてる間に、また生地を作る。
獣人パワーならどうと言うことはない。
(獣人パワーもやっと使いこなせる様になったな…)
「猫さんは料理をどこで覚えたんですか?」
シャルルが不思議そうな顔をした。