第11章 スカーレットと新作料理
数時間寝かしておいた生地を薄く延ばし細く切って…。
「よし、出来た!」
麺の完成だ。
ちょっと太くて、ラーメンと言うよりうどんって感じだが…。
「次はスープか…」
本当なら骨ガラと香味野菜を煮込めば、それっぽいスープになるのだがそんな時間はない。
バラ肉と適当な野菜を炒めてから塩とスパイスで煮て、このスープにさっきの麺をサッと茹でて…。
「う~ん…ラーメンとうどんを足して2で割った感じだな」
(まあ、悪くはないが何か足りない…)
シャルルにも試食してもらった。
「これが『めん』ですか?
…美味しいです
…けど、何か足りない様な気がします」
シャルルも同じ意見だった。
やっぱりスープはちゃんと作らないと駄目か…。
(スープが駄目なら…)
麺類なら他の料理も出来る。
具材と炒めて焼きそばでも良いし、茹でた麺にドミグラスソースを掛けてパスタっぽくしても良い。
「お好み焼きがウケたんだから、焼きそばもウケるはずだ!」
とりあえずと野菜とバラ肉と一緒に炒めて、マヨネーズとスパイスで味付けした。
「うん、これならイケるだろ」
「凄く美味しいです!」
シャルルも満足してくれた。
後はローズが認めるかだ…。
「新しい料理が出来たから試食してくれ」
ローズだけじゃなく、ティアナに(ガブリ)エルにスカーレットまでいるなら試食会には持って来いだ。
「これが新しい料理、焼きうどんだ!」
ドンと大皿で出して、それぞれに取り分けた。
「これが『めん』って料理?
何か普通の肉野菜炒めみたいね…」
ティアナが見た目の印象を言うと…。
「…何、この細長いのは?
…ちゅるちゅる…あら美味しい!
子猫ちゃん、やるわね」
(ガブリ)エルは気に入った様だ。
「…変わった食感だけど…美味しい」
スカーレットが聞こえるか聞こえないかくらいの小声だけど太鼓判を貰った。
さて問題のローズだが…。