第11章 スカーレットと新作料理
ローズの店に着くと…。
「帰って来たなら、さっさと新しい料理作りな」
早速ローズから命令された。
「帰ったばかりだぜ
それにお客さんもいるんだから…」
俺の後ろからスカーレットが入ってきた。
「ご無沙汰してます、師匠」
とんでもない挨拶を聞いた。
「し…師匠!?ローズが?
いや、だってローズは…?」
ガンッ!
「喧しい猫だね
さっさと料理しな!」
久々のフライパンアタックを食らった。
「リナ!今度その呼び方したら出禁にするからね!」
ローズはスカーレットを睨み付けた。
どうやら本当に師弟関係だったようだ。
(魔導師の師匠って事は、それ以上の魔法使いって事だよな…)
これを言うとまたフライパンで殴られるから黙っておこう。
(さて、麺作りでもするか…)
実際には作った事はないけど、要は粉を捏ねて伸ばして細く切れば良いんだよな。
獣人の力なら、混ぜるのも捏ねるのも人より数倍早い。
(捏ねれば捏ねる程、腰が強い麺になるとか言ってたな)
「よっこら、せっこら、どっこらしょっ!」
「なんですか?その変わった言葉は?」
シャルルが不思議そうな顔で俺を見ていた。
「シャルル、いたのか?
今のは、その…なんだぁ…俺の国の掛け声ってやつだな」
俺は苦笑いで答えた。
「そうですか…で、何を作ってるんですか?」
「麺を作ろうと思って…」
何とか生地は出来たかな。
「めん?ってなんですか?」
「う~ん、この生地を薄く伸ばして細く切った食べ物だよ」
当たり前にあった物を知らない人に説明するって難しいな。