第11章 スカーレットと新作料理
翌日、朝早くからディアスとティアナが迎えにきた。
「猫佐衛門、訓練行くぞぉ」
(…だから小学生かよ)
「ローズ、シャルル、行って来る」
「小僧、帰ってきたら新しい料理作れよ」
俺は完全にシェフ扱いになった様だ。
騎士団に行く道すがら…。
「あれ?ティアナはダットンの所で合流じゃなかったのか?」
「仕方ないでしょ!兄貴に捕まっちゃったんだから…」
ティアナはげんなりとしていた。
「さあ、今日も訓練で良い汗流すぞ!」
ディアスは相変わらずニコニコだ。
剣の訓練では、猫人種の身体能力を活かしてディアスを押し込む事も出来るようになった。
『今のはなかなか良い動きだったぞ』
たまに暁丸が誉めるようにもなった。
(だったら、そろそろ使わせろよ)
『まだまだ…』
この刀は、どんだけ自信過剰なんだ?
訓練が終わると…。
「猫佐衛門、お前も騎士にならないか?
お前なら十分出来るぞ」
ディアスには悪いが、俺は元の世界に戻りたいんだ。
「騎士なんて柄じゃねぇ~よ
それより、ディアスもダットンの工房に行くか?」
「私は騎士団長として、勤務時間中にここを空ける訳にはいかない!」
ディアスはきっぱりと言い切った。
「…ディアスは真面目だねぇ
ティアナ、そろそろ行くか…」
ティアナを見ると訓練はそっちのけで、女性騎士と話し込んでいた。
「…そうなのよ!
本当に男って子供よねえ!」
声を掛けづらい話をしている。
「はあ…
おい、置いてくぞ!」
「えっ!?…あっ!ちょっと待ってよ!」
慌てて追いかけてきた。