第11章 スカーレットと新作料理
油断も隙もあったもんじゃない。
「じゃれるのは、後片付けしてからにしなっ!」
(ガブリ)エルはかわせたが、ローズには怒鳴られてしまった。
後片付けも終わると(ガブリ)エルが…。
「明日、ダットンの工房に粉砕機が入るのは知ってる?」
「あぁ、さっきダットンから聞いたよ」
ギラドラスの青い石を粉にするための粉砕機、ダットンも昔は持っていたが使わなくて売っぱらったらしい。
「でもよ、粉に出来たとしてもそれをどう使うんだ?」
それにはシャルルが答えた。
「前にも話したと思いますよ
その粉を溶かした魔法銀に混ぜる事で他の金属と融合出来るんじゃないですかって…」
「うっ…そう…だったな…
シャルルの故郷の技術だよな」
俺は苦笑いしか出来なかった。
「明日は剣の訓練が終わったら、ダットンの工房に寄ってみましょ」
ティアナの言葉に…。
「え?やっぱり訓練やるのか?」
「猫佐衛門がディアスを説得出来るならやらないわよ」
確かにそれは無理だ。
「それじゃあ、明日はダットンの店に集合ね♪
じゃあねぇ~♪」
「それじゃあ、私も…」
(ガブリ)エルと一緒にティアナも帰って行った。
「シャルルはどうするんだ?」
「私は、ローズさんに魔法を教えてもらいます
移動魔法があったら、私も皆さんのお役に立てますから!」
今でもお役に立ててると思うが…。
「…あのババァには気を付けろ
絶対に何か隠してるぞ」
ローズに聞こえない様に超小声で言ったのだが…。
「小僧!誰がババァだって!?」
(げっ…、何で聞こえてるんだよ?)
ローズはキッチンにいるはずだ。
「…ロ、ローズの聞き間違えじゃないのかな?」
無理がある…。
「まあ良い…、それより小僧、新しい料理はまだかい?」
(そうだ、ラーメンを作らなくては!)
ローズに新しい料理を頼まれていたんだっけな。