第10章 スカーレットからの依頼
翌朝、俺達は日の出と同時に森へ入った。
ちょっとひんやりとした森の空気が心地良い。
「さて、どうやってギラドラスを探すんだ?」
「多分、子猫ちゃんに反応すると思うわ」
(ガブリ)エルが変な事を言い出した。
「俺が?どう言うことだ?」
「子猫ちゃんを縄張りを荒らす敵だと思うのよ
猫人種が襲われるって有名な話だから…」
それって、俺が餌になれって事だよな。
「ちょっと待て!俺が狙われるのかよ!?」
一同、ウンウンと頷いた。
(ウンじゃねぇよ…)
そうこうしてる間に、辺りがざわつき出した。
「ほら、来た!」
(ガブリ)エルは剣を抜いて構えた。
「マジかよ…本当に俺が餌か!?」
俺もティアナから借りた剣を抜いた。
シャーッ!!!
現れたギラドラスは意外とデカい。
虎くらいの大きさに、鋭い針の様な毛並み、額にはお宝の青い石。
そのギラドラスが牙を剥き出して睨んでいるのが俺!?
「こいつ完全に俺狙いじゃん…」
剣を構え対峙する。
「シャルル、猫佐衛門とエルに防御魔法を!」
ティアナの言葉にシャルルがすぐに魔法を唱えた。
「彼の者を護りたまえ!ウインドシェード!
猫さん!エルさん!毛針は防げますが直接攻撃は無理ですよ!」
シャルルが叫んだ。
「シャルル、ありがとな!
エル!行くぞ!」
「子猫ちゃん、張り切り過ぎよ!」
俺と(ガブリ)エルが前で戦い、ティアナとシャルルは後ろからの援護に回った。
ドラギラスは、毛針だけじゃなく鋭い牙や爪も強力な武器だ。
攻撃を剣で受け止めても吹っ飛ばされるくらいのパワーもある。
伊達にBランクのモンスターじゃないと言う事だ。