第10章 スカーレットからの依頼
モンスターの名前は「ギラドラス」、顔は猫の様に見えるが全身に針の毛を持つ。
気性が激しく攻撃的で毛針を飛ばす。
額に青い宝石の様な物が魔法を引き寄せ弾き返す厄介なモンスターだ。
依頼書にはギラドラスを倒すと手に入る青い石を三個入手すると書いてある。
「三個かぁ…
こいつって、そんなにゴロゴロいるのか?」
「いるには、いるのよね…」
歯切れの悪い答えが返ってきた。
「どっちだよ!?」
「ギラドラスはね、集団では行動しないのよ
だから、探すのがちょっと大変かもね」
ティアナが答えた。
「しかもすばしっこいのよねぇ…
そういう事もあってBランクなのよ」
(ガブリ)エルも苦笑いする。
俺達はギラドラスがよく出ると云われる森に向かう事になるのだが、街から馬車で一日掛かる。
となると、俺とシャルルはローズに許可を貰わなければならない。
「…どうするか?」
「ローズさんが、手伝いなさいって言ったんだから大丈夫だと思いますよ」
黙って行く訳にもいかないので、四人でローズに頼んだ。
「なんだい?誰も移動魔法が使えないのかい?
無駄な時間ばかり掛かるだろ!」
嫌味を言われたが仕方ないと許可してくれた。
「移動魔法って簡単なのか?」
俺はティアナに尋ねた。
「私が知ってる限りでは、使えるのはAランクの魔法使いしかいないんじゃない?」
「ローズは簡単そうに言ってだけど…?」
俺の呟きに(ガブリ)エルが答える。
「無属性魔法だけど、簡単には出来ないわよ
ローズなら簡単かも知れないけど…」
(まただ…ローズ本人は魔法使いじゃないって言ってたのに…)
何故かみんなはローズが魔法使いであるかの様に話す。
(聞いても教えてくれないし、いずれ分かるか…)
とりあえず四人でギラドラスの住む森へ向かった。