第10章 スカーレットからの依頼
「このモンスターはそんなに強くないわよ
ただ、魔法が一切効かないからランクが高くなってるの…」
(ガブリ)エルのモンスターの説明で気付かされた。
「…あっ!魔法を弾く素材…」
「そういう事よ
こいつが落とすアイテムなら闇鉄鋼の変わりになるんじゃない?」
(ガブリ)エルが伊達にAランクじゃないなと分かったが…。
「でもよ、俺は初心者だし、シャルルは魔法使いだし、ティアナでもEランクだぜ
これで勝てるのかよ?」
「子猫ちゃんは気付いてないの?」
(ガブリ)エルがティアナをチラッと見た。
ティアナは肩をすくめて両手を広げた。
「は?何の事だよ?」
俺は訳が分からなかったが…。
「前に巨大な三頭の蛇を倒したでしょ…
あれって非公認だけどAランクモンスターよ」
「…
……
………え~~~っ!!!」
俺はこれでもかと驚いた。
「いや、確かに強かったけど…
ティアナ、知ってたのか!?」
「…私も後で知ったのよ」
ティアナは俺に内緒にしていた様だ。
「それじゃあ、猫さんってAランクの実力があるって事ですよね!!凄いです!!」
何故かシャルルは大喜びしている。
「そんな単純な事じゃないけどね」
ティアナが苦笑いでシャルルに言った。
『おだてられて調子に乗るなよ』
暁丸が釘を指した。
こいつは忘れた頃に話し掛けてくるんだよな。
(話がややこしくなるから、お前は黙ってろ)
刀の暁丸に話し掛けると周りの目が白くなるから…。
「…じゃあ、そいつはあの蛇より弱いって事か?」
「そうねぇ、…でも、たくさん倒さないと材料としての数が揃わないわよ」
やはり簡単にはいかないって事だよな。