第10章 スカーレットからの依頼
ダットンはばつの悪そうな顔でみんなを見回した。
「まぁなんだぁ…、歳は取りたかねぇなぁ…
それより、なんだ?雁首並べて…」
「魔法銀と相性が良い材料って何ですか?」
ここはシャルルに任せた方が早そうだ。
「魔法銀か…
ありぁ特殊だからなぁ、強いて挙げれば真逆の闇鉄鋼だな…」
「闇鉄鋼?」
そこにいたみんなが首を捻った。
「鉄の一種だが、こいつぁ魔法を弾くんだ」
「それって魔法攻撃が効かない防具が作れるんじゃないのか?」
俺が言うか言わないかの間にダットンが付け加えた。
「無理だな!
闇鉄鋼はとにかく硬くて加工出来ないし、ほとんど採れない代物だ
闇鉄鋼を使った物なんて見たことも聞いたこともない
…が、魔法銀の原石には微量な闇鉄鋼が混ざってる
もしかしたら相性が良いのかもな」
ダットンは腕組みをして一人納得していた。
「どうする?その闇鉄鋼とやらを探すのか?」
俺は(ガブリ)エルを見た。
「そんなに見詰められたら困っちゃう♪」
「てめぇ!ぶっ飛ばすぞ!」
遂に切れてしまった。
「まあまあ、エルもふざけ過ぎよ」
ティアナが間に割って入った。
「そうですよ
仲良くしないとダメです!」
シャルルは耳をピンと立てて言い放った。
「「悪かった」わ」
俺と(ガブリ)エルは同時に謝った。
「…振り出しに戻ったな」
「でも、ヒントにはなったわよ」
(ガブリ)エルが何かを思い付いた様だ。
「その顔は何か思い当たるんでしょ」
ティアナは確信しているみたいだ。
「もしかしたら?だけどね♪」
(ガブリ)エルはティアナにウィンクしてみせた。