• テキストサイズ

君という魔法【ハイキュー‼︎】

第6章 恋の方程式







「―――よし、今日はここまで。今日の午後は存分に体力を回復するように!」


猫又監督の言葉に、部員一同の威勢の良い返事が体育館に木霊した。


「なーなー、今日これからどっかいかねー?」
「いーっすね!行きましょう!」
「久しぶりにみんなでゲーセンでも行くか」


夜久に山本、海がわいわいと楽しそうに話す隣で。黒尾がぽん、となまえの背中を叩いた。


「なまえ、お前も来るだろ?」

『……うーん……』


気の乗らない返事に、黒尾は続ける。


「何。もしかして予定でもあんの?」

『…ないけど』

「んじゃ行くだろ」

『…遊ぶって気分でもないし』

「じゃ帰って何すんの」

『研磨とゲーム…』 

「嫌だよ」


なまえの言葉に、背後にいたらしい研磨がすかさず口を開いた。


『なんでよ!?』

「今日は無理。クリアしなきゃいけないゲーム溜まってる」

『一緒にやればいいじゃん!』

「無理。足手まといにしかならないし」

『は!意地悪!ケチ!ケチ研磨!!』

「どうとでも言えば。とにかく、今日はなまえもクロも”邪魔”しないでね」


研磨の目がぎろりと光る。
そして、黒尾となまえはその視線だけで察した。

これは、本気(マジ)なやつだ、と――。

合宿に練習と忙しい日々が続いていたせいで、やりたかったゲームがろくにやれていなかったのだろう。これは、本気でゲームをやりこむときの研磨のマジ顔だ。

そんな研磨を前に苦笑している黒尾となまえに、研磨はくるりと背を向けて「じゃ」と一言。そして、練習中ですら見れないスピードで研磨は体育館から姿を消した。


「……だってさ、どんまい」

『………』

「ほら、行こーぜ。お前今一人にするとろくな事考えなさそうだし」


/ 135ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp