第2章 太陽と月の出
『あ…えっと、そうだな、例えるなら、日向君がダイヤの原石で、月島君はダイヤそのものって感じ!?ダイヤは磨けば光るじゃん、だから、その生まれ持ったセンスを磨けばきらっきらに光るんじゃないかなぁ、って!ごめん…、言い方変だよね。月島君さ、自分じゃ気付かないのかな!?月島君からはさ、オーラがあふれ出てるの!こう…バレーのセンスのオーラがさ!!うまく言えないんだけどさ!!』
身振り手振りで一生懸命伝えようとしている姿がなんだか可愛くて、月島は思わずくすりと笑ってしまった。
「プッ…」
『え!?今笑うとこ!?』
「いや…すいません…なんか、見た目と結構イメージ違うんですね」
『えっ!!どのへんが!?』
言いながら大きく目を見開き焦り倒すなまえの姿に、再び月島から笑みがこぼれる。
「ギャップ、すごいですね」
『え、それどういうギャップ!?』
「わかんないですか?そのままの意味ですヨ」
月島はそういって、意地悪く笑う。なまえはむすっとした顔で、残りの西瓜を頬張った。
「そんな一気に食べたら、おなか壊しますよ」
『だって、月島君が意地悪するから。やけ食い』
「プッ…意地悪って…。別に意地悪なんてしてないんですケド。被害妄想やめてくださーい」
『うわ、月島君がこんな意地悪だとは!』
「今ごろ気付いたんですか?」
『きー!!』
ぷんぷんと怒る姿に、月島の笑いは止まらなかった。心底楽しそうに笑う月島を見てなまえは、大人びた彼にも高校生らしい面があることにどこか安堵し、ほっと胸を撫で下ろした。