• テキストサイズ

君という魔法【ハイキュー‼︎】

第2章 太陽と月の出




「もういっぽォーん!!」


木兎の大きな掛け声が、第3体育館に響く。
なまえが赤葦に球を出し、赤葦がトスをあげる。そして、木兎が勢いよくスパイクを決める。月島のブロックは、次々とあっけなく抜かれてしまう。


「っしゃあ!」

「一枚ブロックに勝っただけっスよ」

「うっせーな赤葦!!」


そんな様子を見ていたなまえは、肘でこつんと黒尾を小突いた。


「…お。よし。んじゃ、2枚ならどーだ」

「2枚ブロック上等ォ!」


リエーフは、地面に倒れている。


「行くぜぇ!!」

「メガネ君はストレートをきっちり締めとけよ!」

「…あ、ハイ」


そして、木兎のスパイクは見事黒尾に止められる。


「ウェーイ」

「くっそ!!うーん、やっぱメガネ君さ、読みはいいんだけどこう…弱々しいんだよな、ブロックが!腕とかぽっきり折れそうで心配になる。ガッ!ととめないと!ガッ!と」

「……僕、まだ若くて発展途上なんですよ、筋力も身長もまだまだこれからなんで!」

「むっ!!」


そんな月島の様子を見て居た黒尾が口を開く。


「悠長なこと言ってると、あのチビちゃんにいいトコ全部持ってかれちゃうんじゃねーの?同じポジションだろー」


黒尾の言葉に、月島はしん、と静かになった。


「…それは仕方ないんじゃないですかね~日向と僕じゃ元の才能が違いますからね~~」


笑顔でそういう月島に、一同もしん、と静まる。


「………」


――「あー!またスパイク練習ですかー!?オレブロックやります!?やります!?」
「おいリエーフ!転がってんじゃねーよ、レシーブ!」
「ゲェッ、夜久さん!!」
「ゲッってなんだよ!」


音駒の面々が続々と現れ、月島はくるりと背を向けた。


「じゃあ僕お役御免ぽいんで失礼します」

「あっオイ」


黒尾の叫びも虚しく、月島はすたすたと体育館を出て行ってしまった。


「なーんか…地雷踏んだんじゃないスか、黒尾さん…」


赤葦の言葉に黒尾がギクリとする。

/ 135ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp