第2章 太陽と月の出
「ちょっと、鳥養コーチのタブレット借りてシンクロ攻撃の練習すんべ」
「よっし!」
「俺はサーブ打ってくる!」
それぞれ自主練を始める三年たちを見て、山口忠も感化されたようだ。
「ツッキー!今からサーブやるんだけど、ツッキーは――
「僕は風呂入って寝るから」
「あ…そっか…あの…」
「何?」
「ツッキーは何か自主練とかしないのかな、って…」
「練習なんて嫌ってほどやってるじゃん。がむしゃらにやればいいってもんじゃないデショ」
「そ、そうだ、ね…そう、なんだけどさ…」
山口の声掛けもむなしく、月島はすたすたと歩いていってしまった。