第1章 きみを見つけた日
――「あ、まーたオマエ他校のやつたぶらかして。やめろよ、この小悪魔」
そういって背後から現れたのは黒尾だ。
『はぁ!?たぶらかしてなんかないし!』
「あ、えっと、みょうじサンにならたたたぶらかされてもイイです!!」
「…翔陽…意味わかって言ってるの…?」
「うひゃひゃひゃ、チビちゃん、相変わらずだなー。つーかなまえ、あとで会議室来いっつったろ。ミーティング」
『ああ、ごめんごめん。じゃあ、日向くん、またね!』
「ハ、ハイ!!みょうじサン!!」
『なまえでいいよー!またね!』
そういってなまえは黒尾に連れられ、会議室へと行ってしまった。
「なまえサン……美しすぎる…」
「ほんっと可愛いよなー!俺も初めて見たとき綺麗すぎてびっくりしたもん。でも、日向んトコにも、綺麗なマネさんいるじゃんかっ!」
「清水先輩は美人系で、なまえサンは可愛い系の頂点っていうか…あの影山もびっくりしてた!」
「確かに!どっちも違った美しさだな!!」
「てかっ!!研磨幼馴染とか羨ましすぎだろ!!いーないーなぁぁぁ」
「……はあ…」
日向と犬岡の煩さに、研磨のため息がむなしく教室に響いたのだった。