第1章 きみを見つけた日
試合が始まるも、一年コンビ不在の烏野は負け続き。決して烏野の調子が悪いわけではなく、ただ単に梟谷学園グループのレベルが高いのだ。
サーブこそが究極の攻め”生川高校”
コンビネーションの巧”森然高校”
とにかく拾って繋ぎ反撃の調子を伺う”音駒高校”
そして、全国を戦う大エース率いる強豪”梟谷学園”
しかし強さに驚くだけでは、烏野がこの遠征に参加した意味がない。この強豪たちと渡り合っていかねばならないのだ。
目の前に叩きつけられた難題に、烏野の面々はただただ苦戦していた。
そして、日が暮れ始めた頃―・・・結局烏野は一度も勝てないまま、初日の最終試合を迎えようとしていた。
そのとき、体育館の扉がギィィと開く。そこには、金髪の女性が立っていた。
「姐さん!!」
西谷の声が体育館に響く。
「西谷のお姉さん?」
「いえ、龍のです!」
「確かに似てるな!」
東峰が続く。そして、烏野メンバーの視線の先、それは田中の姉の後ろにいる”二人”に向けられている。
「…主役は遅れて登場ってか?はーら立つわぁ」
黒尾がそう言えば、他校の面々も体育館の入り口に視線を向ける。そこには、息を切らしながら立っている二人の影…言わすもがな、烏野一年コンビである日向翔陽と影山飛雄だ。
そして、見せつけられた二人の変人速攻に他校の面々は驚く。二人が入った試合で、烏野は今日初めての勝ち星を得た。
ラストゲームの、音駒vs生川は、音駒の勝利。そうして、初日の合同練習を終えた。