• テキストサイズ

君という魔法【ハイキュー‼︎】

第6章 恋の方程式






「―――ずっと、好きだった。初めて会った時から、みょうじのこと」




―――ずっと言いたかった。ずっと言えなかった。たった二文字の言葉なのに。どれだけ時間が掛かったか。




『……わたしも…私も、赤葦が、ずっと――』



瞬間。

ふわり、と柔軟剤のいい香りがなまえの鼻を掠めた。大好きな人の、大好きな匂い。抱き締められているのだと気付くのに、時間は掛からなかった。

なまえはしばらく驚いたままぽかんとしていれば、赤葦がはっと気づいたように慌てて身体を離した。


「!ご、ごめん」

『え、いや……嬉しかった、よ』



なんとも言えない雰囲気が流れて、赤葦が言いづらそうに口を開いた。


「……ごめん。俺のせいだね」

『え?なにが?』

「俺があの時勘違いさせるような事言ったから。もっと素直に言ってれば、みょうじを傷つけなくて済んだのに」

『私も早とちってあんなこと言ったから…お互い様だよ』

「本当に、ごめん。もう、絶対、泣かせたりしないから」

『……うん』


さっきまで抱き締められていた身体が、未だ熱い。




「俺と、付き合ってくれますか」


『……はい』



こくりと頷いたなまえは、そのまま赤葦の胸に飛び込んできた。

大好きな人の唐突な行動に一瞬驚いてから、ああ、もう、ためらうことはないんだな、と実感してから、それを噛み締めるように、両手を、彼女の小さな背中にそっと回して、ぎゅっと抱きしめた。


/ 135ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp