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【鬼滅の刃】短編夢小説

第7章 刹那 (不死川実弥)


「鬼から逃げ出した腑抜けが」
体中傷だらけで凶悪な面相で眼を血走らせ私を罵声するのは鬼殺隊の頂点に立つ剣士柱の一人風柱の不死川実弥だ。私は十二鬼月の上弦との戦闘で死に掛け生死の境をさ迷ったが何とか一命を取り留めた。お館様と呼ばれる産屋敷耀哉様に助けられ半年で五十体以上の鬼を倒した成果を認められ漸く柱の階級を貰える寸での所での反論に肩を震わせる。不死川さんの言っている事は実に正しい。私自身でさえ鬼から逃げ出した情けない奴が柱になっていいのかと何度も考え込んだからだ。彼は見た目と粗暴な言動とは裏腹に理性的で常識的な面があるようだ。不死川さんから散々馬鹿にされたが周りの柱とお館様から認められた私は今日から柱と名乗る事になった。

ーーーあれから早数ヶ月
任務で不死川さんと顔を合わせた為挨拶すると彼は訝しげな表情で鼻を鳴らした。未だに柱として認めてくれてはいないようだ。この数ヶ月で私は下弦の鬼を1体倒した。だがあの上弦との戦闘で致命傷を負ったせいか未だに体が上手く動かない。乱れた呼吸で目の前に迫る鬼を睨み付け白銀の日輪刀を鞘から引き抜くと刃から冷気が漏れ肌を撫でる。目の前に迫る鬼の頚を一太刀で斬り裂いた。
「ぎゃあッ!」
悲痛な声と共に赤い鮮血が宙を舞う。切断された頭部は宙を舞い血を撒き散らしながら地面に叩きつけられる。ぶち撒けた血の雨は地面を赤く染める。乱れた呼吸を整えようとした瞬間に一瞬の隙を付いて背後から鬼が迫って来た。
「ぐひひひっ!女がいるぞォ!」
下卑た笑い声が響き渡る。鬼の裂けた口からは血が滴り落ちていた。まだいたのかと慌てて体制を整えようと身構えた瞬間
「壱ノ型 塵旋風・削ぎ」
凄まじい勢いで螺旋状に地面を抉りながら突進し鬼の体を斬り刻んだ。
「ぎゃあああッ!」
「ーーーっ!」
頭部が弾け飛び四肢は飛散し鬼の体は惨たらしい姿と成り果て身体が崩れ落ち死んでいった。その凄惨な姿を見た私は日輪刀を手から離し地面に座り込むと不死川実弥は刀を鞘に仕舞い鼻を鳴らす。
「何座り込んでやがる。腰が抜けちまったのかァ?」
「~~~っ!」
顔を赤くし慌てて立ち上がり砂埃を払う。
「・・・助けて欲しいなんて言ってませんから!」
「そうかよ」
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