第6章 犬猿の仲 (嘴平伊之助)
「そうよ。私があの鬼の頚を斬る筈だったのに・・・っ!貴方が横取りしたんでしょうが」
「あ゛あ!?アハハハハッ!それは悪かったな」
同じ鬼殺隊員なのだから協力するのが普通だが私は両親を鬼に殺された怒りから鬼に対する憎悪が人一倍強かった。
「お前が鈍間だったんだろうが」
「何ですって・・・っ!」
喧嘩をしていると鬼に襲われそうになっていた少年達が泣きながら私達に抱き付いて来た。
「「わあああああん!!助けてくれて有難うっ!!」」
「「ーーーっ!」」
泣き喚く少年達を見た私達は顔を見合せ一旦喧嘩を止めたのだった。
「あんた何でそんな猪の皮を被ってるわけ?素顔を見せなさいよ!」
素早く手を伸ばし猪の皮を取る。
「あ゛!?」
猪のような厳つい獣のような素顔かと思ったが違った。お伽噺に登場する少女のような色白で綺麗な顔立ちに呆気に取られる。
「・・・っ!」
「何だコラ・・・俺の顔に文句でもあんのか」
「・・・可愛い」
「あ゛あ!?殺すぞテメエ!!」
「可愛い顔で殺すとか言わないの!」