第6章 悪戯 【R18】《煉獄》
私の身体の上にのし掛かる彼の重みに心地よさを感じながら、浮かされた脳内が地に付くのをただひたすら待つ。
左頬に金色の髪が当たって、彼が荒く呼吸をする度にくすぐったい。
鼻でしか息ができないのもこんな時は苦しくて、口を覆った物をもう取ってしまおうと上から指を入れて下にずらそうとした時だ。
「こら、まだ終わっていないぞ…」
その指を掴んだ彼はむくりと起き上がると乱れに乱れた自分の浴衣を脱ぎ捨てる。
「…!?」
まだ、これは続くのか?と、力が入らない身体で後退るが、距離を詰められる。
ゆるりと笑った彼の瞳は怪しく揺れた。
「ん…」
後ろを向きにされて、お腹辺りに腕が回ってそのまま引っ張られると
彼にお尻を付き出したような体勢になる。
「んんん」
…もう、無理!
いやいやと首を降って訴えてみたが聞いてくれる気は無いらしい。
肌と肌を合わせるように後ろからぴったりと覆い被さってきた彼は、肩に口付けを落として耳元で囁く。
「元はと言えば、君が煽ってきたのが悪い…」
「んっ!」
吐息のような低い声に、すでに硬くなった熱いものがお尻に擦り付けられて、ぞくりと震える。
「ちゃんと、責任を取ってくれよ…」
そうだった、先に仕掛けたのは私だ。
それがどうしてこうなったのか、彼を、骨抜きにするつもりが…
今現在、気が付けは足腰が自分じゃ立たない位に骨抜きにされてしまったのは私だ。
まるでミイラ取りがミイラ状態とはこの事だ。
彼の指が胸の膨らみをやわやわと弾力を楽しみ始めて再び快感に引き戻される。
「んぅ…っ」
これ、絶対に明日、身体が怠くて動けなくなるやつだ…などと冷静に考えて、ほんの出来心で彼を襲った自分を呪う。
そんな事を考えても後の祭りだけれど。
「ふ…、みさ」
彼の甘やかす様な甘い声に、甘い口付けに、溶かされる私は彼に身を任せるしか無のだから。
end