第6章 悪戯 【R18】《煉獄》
卑猥な音をわざと立てながら激しく唇を上下させれば彼はびくりと震えた。
「っ…も、出る」
ますます大きく膨張した彼のそれを吸いあげれば彼は呻き声を上げる。
「みさっ、口、放せ…」
「んん…」
「っ!」
額を押されて口からそれが離れた瞬間
パタタ、と音を立てて放たれたものは、私の浴衣の胸元を汚した。
「っ、は…ぁ…」
ぶるりと身体を震わせた彼は、息を整えながら恨めしそうにこちらを見やる。
押された反動で後ろに両手を付いた私は居たたまれなさに身体を起こそうとするが、静止される。
「動くな、…シーツに垂れる」
自分の胸元を見れば、白濁のそれが生地の上を、とろりと下へと垂れて行くところだった。
こちらに近寄ってきた彼は私の浴衣の帯を解いて、それを脱がせる。
その浴衣を裏を表側にしてくるくると適当に丸めて布団の外へ投げた。
「全く君は…、何をするか分からないから、怖い」
はぁ…と呟いた彼に唇を奪われる。
ちゅ、ちゅと唇を吸われるだけだった口付けは、段々と深い口付けに変わって行く。
さっきまでとは違う。
私の口内を我が物顔で動き回る彼の舌。
彼が主導権を握る口付けに翻弄されて、身体の力が抜けて行くのが分かった。
「…ふ、ぁ…」
ぶるりと身体を震わせれば、糸を引いて唇が離される。
「…君は、俺が真面目だからこの状態で手を出さないと思ったんだったな」
「…間違っていますか?」
「それもあるが…」
彼は、私の潤った唇を親指でぬるりとなぞり上げた。
「君の声を、他の男に聞かせたくないんだよ」
口の端を上げて彼は笑う。
彼の眼差しは情欲を写した雄の目そのもので、心臓がドクリと音を立てた。
「けれども、この口を塞げば、その問題も解決するな?」
「それは…?」
どういうことだろう?と考える前に、口に柔らかな布が触れる。
「そう、例えば君のしていたこの帯で口を塞げば、声は出ないんじゃないか?」
口を塞いで耳の横を通った腰紐は後頭部でぎゅっと結ばれた。
悪戯をする子供のような顔をしている彼を見上げながら、状況が掴めない私は指で口の前の布に触れる。
その途端に、私は布団の上に押し倒されていた。