第6章 悪戯 【R18】《煉獄》
「…っ」
彼の舌を口内から飛び出る程に強く吸いながら唇を放せば、彼はぶるりと身体を震わせた。
「…ごめんなさい、痛かったですか?」
「…いや」
唇の横に垂れたものを、舌で舐め取ってそのまま首筋まで舌を這わす。
彼のお腹に乗っていた私はそのまま下へとお尻をスライドさせると、彼の下半身は既に布越しでも分かる位それが形取られている。
その形を確かめる様にゆっくりと自らの下半身を擦り付けながら下へ動かす。
布越しではあるけれど、そのままそこに挿入ってしまうようなこの体制に、彼が息を飲むのが分かった。
まるで彼のそれを咥え込みたいかのようにひくん、とあそこを締め付けてしまって、脳が甘く痺れ出す。
「…ふ、ぁ…」
彼にもそれが伝わってしまったのではと自虐心を自ら煽って、触られてもいないのについ甘い声を漏らして
なんてはしたないんだろうと思えば思う程じんじんと脳内は痺れ出す。
目の前の彼の胸の突起を舌で押し潰しながら腹筋に指を這わせて下半身まで手を伸ばす。
「っ…みさ」
びくりと強張った彼をなだめる様に布越しにそれにやわやわと触れて、胸から下へキスを落としながら彼の股の間に入り込む。
腰紐をほどいて彼自身に直に指が触れると彼は熱い吐息を吐く。
「…は、君はそんなことをしなくて良い…っ」
いつの間にか上半身を起こした彼は、浅く息を吐いて悩ましげに眉間に皺を寄せて私を見下ろす。
真面目な彼が、欲望に負けそうになるのをひた隠しにしたその顔。
彼をこんな風にしたのは私自身だ。
情欲の色が伺えるその瞳に、化けの皮を剥がして彼を暴いて行く感覚に私の身体はぞくりと悦びで震えた。
無意識に口元が緩む、今の私は酷く厭らしい顔をしているだろう。
でもそんなことは今はどうでも良いのだ。
今は只、この人の快感で歪む顔が見てみたい。