第5章 この手を掴んだら、最後【R18】《不死川実弥》

布団に埋めた顔とシーツの間に彼の手が入り込み顎を捕まれて顔を上げられると、頬に彼の唇が触れる。
そのまま強引に横を向かされて今度は唇に唇が触れた。
唇が触れたまま、彼の唇が動く。

「…みさ」

みさと、初めて名前で彼に呼ばれた気がする。
こんな時に名前を呼ぶなんて。
それだけでじんじんと脳が痺れる程に。

「…ずるい」

心を揺さぶって、絆して、ぐずぐずに甘くして、私が抵抗できなくなるまで
まるで、この日の為に今までそれを呼ばなかったと思える程、彼の唇から紡がれた自分の名前は魔力を持っていた。
下唇を吸われて、そのまま下唇を歯で甘噛みされる。

「…っ…」

微かに空いた歯列から舌が入り込んでビクリと身体が強張った。

「…ふ…」

口内を這い回る熱い舌に、どうしたらいいか分からなくて逃げ回っていた舌を捕らえられて、吸われる。
甘い痺れが走って骨の髄まで伝わるような高揚感にくらくらする。

「ぁ…んぅ…」

口付けはしたまま
肩が捕まれてシーツから身体を剥がされ、仰向けにする様に上半身を回転させられて
両足の間にも彼の脚が入り込んでくる。

「…ふ…ぅ…っ」

舌に翻弄されながらも少し残る恥ずかしさから両手で胸を隠していれば、顎を掴んでいた彼の手が肌を撫でながらゆっくりと下に降りて行き２つの膨らみを隠している両手に触れる。

ちゅと音を立てながら唇を離した彼の髪が
私の肌を撫でながら下へ降りてゆくものだから、くすぐったさに身を捩る。
膨らみを隠した両手はいとも簡単に彼の手によって剥ぎ取られ、その膨らみを彼の目の前へ晒す形となる。

片方の膨らみに彼の指がゆっくりと触れて、その弾力を楽しむように指が食い込んで行く様子はあまりにも卑猥に見えて、ますます脳が痺れて行くようだった。

「…っ！」

それに気を取られているうちに、熱い舌が反対側の膨らみの先端に触れてビクンと身体が仰け反る。

彼のその舌がゆっくりと先端の周りをくるくると縁取るように周り、やがて先端を優しく押し潰して、ちゅと音を立てて吸い上げた。

「ん…ぁ」

胸の先端を舌と指で刺激される度にお腹の下がむず痒い様な気持ちになる。

膨らみを弄んでいた指がゆっくりと脇腹に触れながら下に降りて行く感覚に、期待と戸惑いの混ざった吐息が口から漏れた。