第2章 夢を見ていたい。
埋葬を終えた。
伊之助も最初は嫌がっていたものの、炭治郎に無自覚に煽られ、結局は手伝っていた。
「正一君は強いんだ!正一君に俺を守ってもらうんだ!」
何があったのか凛には分からなかったが、善逸がただをこね、正一君と呼ばれた男の子が困っていることだけは分かった。
「私が守ってあげるから、ね?一緒に山を降りよう?」
「凛ちゃんが…?凛ちゃんと一緒なら俺頑張るよ!」
手を差し伸べたらすぐにその手を取り、行く決心をしてくれた。
その時、鴉が何かを吐き出した。
「この香り…」
昔、嗅いだ香りであった。
「藤の花の香袋だね、鬼除けになるから持っているといいよ」
炭治郎が説明をしている。
“藤の花”…
懐かしい。
違う。
怖い…?
「…っ」
凛は、ふわっとした感覚と共に、真っ白な光に包まれた。