第9章 何気ない事で人の心は動かされる
「ぶはははっ!!大石お前、何だその髪っ」
そーっと見つからないように入ったつもりが、あっという間に原田隊長に見つかってしまった
「髪の毛だけスーパーサイ〇人みてェになってんぞ」
『うるさい原田のハゲ野郎!!』
次の瞬間ゴツッと音がして私の頭に大きなたんこぶが出来た
まぁ、からかわれるだろうことはわかってたけど…
「大石さん!その寝癖…も、もしやひょっとして沖田隊長にまた髪の毛を触られようとしてわざとつけたんじゃ!?」
この人(神山)が一番うるさい!
『そんなわけないじゃないですか。今日会議ってことすっかり忘れてて髪の毛直す時間なかったんですよ』
「ほーぅ、今度は寝坊じゃなくて単純に忘れてたのか」
『そうそう単純に…って』
パッと顔を上げると鬼の顔をした副長と目が合った
『いや!あの、違いますよ!?忘れてたっていうか…ちゃんと思い出しましたしっ』
「大石、」
『は、はい!?』
副長は私の名前を呼びタバコを噴かした
「お前…今日は昼から書類整理だ」
『ええ!?でも確か今日は午後から例の件のホシを捕まえるんじゃ…』
「会議に遅刻するわ、寝坊するわ…そんな奴を任務につかせるわけねーだろ。オメーは留守番だ」
そ、そんなぁああ!!
今日の為に昨日から刀の手入れして準備してたのに。
会議が終わり、隊士たちは次々と部屋を出ていく
「残念だったねィ、まぁオメーがいなくてもホシはすぐ捕まえられるから安心しな」
そう言って私の頭にアイマスクを置いて沖田隊長は部屋から出て行った
「大丈夫だよ結衣ちゃん、すぐ片付けて後で俺も書類整理手伝うよ」
「沖田隊長の背中は自分が護るっス!!」
「市中見回り行く前にその髪何とかしろよ」
最後にドヤ顔でそう言った原田隊長だけに書類の束を投げつけた
勿論この後私は再び原田隊長にげんこつを食らったのは言うまでもない