第8章 愛情にも種類がある
「いつからそこに?」
「んー…最初からかな。こんな時間に18の女の子を1人置いて帰る男はいねェだろ」
「…」
「沖田くんこそ、さっきの俺と結衣の会話全部聞いてたんだろ?…お前んとこのゴリラが心配してたのは本当みてェだが、迎えに行けって言われたってのは嘘だな」
「…どうしてそう思うんですかィ」
「ウチ(万事屋)に居ることはゴリラに伝えてるし、仕事を終え一旦屯所に帰ったなら隊服ってのはおかしい。
つまり本当は屯所には帰ってなくて仕事中もずっと結衣を探してたってことだろ?…ま、仕事してたかは謎だがな」
「…」
「以前に比べ随分面倒見が良くなったじゃねーか。…
惚れたか?」
「さぁ……どうですかねィ」
「ふーん…否定はしないんだ」
「別に旦那には関係ないでしょう」
「俺結衣とは古いからさー…。それに若い2人を応援してやりてぇじゃん。あ、良かったら相談とか乗るよ?」
「何言ってんでィ、
自分だって惚れてるくせに」
「…」
『沖田隊長ぉおお!車まわしてきました!!』
全力で走った為、5分以内に戻って来れた私はお墓前の道路の端にパトカーを寄せた
『あれ、銀さん?』
「よぉ」
沖田隊長の傍まで行くと隣には銀さんがいて、
『…何かあったんですか?』
2人の間には緊迫した空気が漂っていた
「いや、何にもねーよ」
「…帰るぜィ大石」
『あ、ちょっ』
ぐいっと沖田隊長に腕を引っ張られ私は半ば強制的に車に乗せられた
窓越しに銀さんを見ると丁度目が合い、彼はこちらに手を振ってきた
「髪…ちゃんと乾かさねーと風邪引くぞ」
『あ、…はい』
私が軽く礼をしたと同時に車が動き出した