第8章 愛情にも種類がある
銀さんと別れ、1人その場に残った私は平河隊長のお墓を見つめた
『…』
そっと目を閉じ、手を合わせ俯く
平河隊長…
3年前のあの日、私はあなたに連れられここ(真選組)へ来ました。
不器用だけど温かいみんなの優しさに私は救われたんです。
だから平河隊長…どうか見ていて下さい。
今度はあなたが大切にしていたもの…私が必ず護ってみせます
…例え、この命に変えてでも。
「やっぱここだったかィ」
聞き覚えのあるその声に反応し、振り向く私の目に映ったのは無表情で私を見つめる沖田隊長の姿だった
『お、沖田隊長!…どうしてっ』
「どうしたもこうしたもねーだろィ。無断で屯所から出てったくせに…おかげで近藤さんがそわそわしっぱなしで落ち着かないんでさァ」
『…それで私を迎えに沖田隊長が?』
「お前を迎えに行けって近藤さんに言われてな、こっちはようやく仕事終えてきたっつーのに…全くいい迷惑だぜィ」
『す、すいません…でもどうして私がここにいるってわかったんですか?』
「んなの…どうでもいいだろィ」
『えっ?』
「ごちゃごちゃうるせーや、とっとと帰らねェと駐車違反になっちまうだろうが」
いやどこに車停めてんの!?
『駐車違反って…私達警察ですよね!?取り締まる側ですよね?何してんですか』
「まァ何かあったら責任は全部お前に擦り付けることにすらァ」
『なに本人目の前に堂々と宣言してるんですか!!』
「うるせェな、だったらお前が今すぐこっちに車まわして来やがれ」
そう言って沖田隊長は私にパトカーの鍵を投げつけた
理不尽過ぎる!!
『車停めてるって…一体どこに?』
「万事屋の前」
『はぁああ!?』
何て所に停めてんのこの人!?
私は急いで万事屋の方へ向かって走った
「……盗み聞きなんて人が悪いですぜ、旦那」
「…やっぱりバレてたか。
…久しぶりだね沖田くん」