第8章 愛情にも種類がある
神楽ちゃんの爆弾発言に銀さんと二人して顔を見合わせた
『か、神楽ちゃん!何で私と銀さんが…』
「銀ちゃんはしたくないアルカ?だって銀ちゃん結衣のこと好っ…」
「だあああああうるせーぞ神楽!」
銀さんが神楽ちゃんの口を手で塞ぐ
結婚か…今まで考えたこともなかったな…。
いや、
- 結衣、ウチを出て行くなんて許さないぞ! -
この刀を手にした時から普通の女の子であることを自ら捨てたんだ…。
刀を見つめ、ぼーっとしていると銀さんが慌てた様子で言った
「あー気にすんじゃねーぞ結衣、今のは神楽の冗談で…」
『うん、わかってるよ。…確かに、ちょっと想像出来ないよね』←悪意ゼロ
「…」
「ぎ、銀さんが固まった!!」
『銀さんは…なんかお兄ちゃんみたいっていうか、優しいし頼りになるし…私の憧れの存在でもあるんだよね…』
だからきっと、傍にいると安心するんだ。
「銀さん…ちょっと複雑ですね」
『え?』
「んー?何が?べ、別に俺もお前のことは妹みたいに思ってるしィ?」
『え、本当!?』
「んなわけねーだろ!」
『ぇえ!?どっちですか』
そう言って銀さんを見ると彼は目を逸らし私の頭をくしゃくしゃと掻き回した
『わ、髪が!』
「別に大して変わんねーよ」
『ちょっ、どういうこと!?』
「結衣ーこれもうおかわりないアルカ?」
そう言って10杯目のご飯のおかわりを要求する神楽ちゃん
『え、まだ食べれるの!?』
「神楽てっめ!何一人で全部食おうとしてんだ!!」
「うるさいネ!こんなご馳走もう二度と食べられないかもしれないアル!!だから今日は死ぬまで食べ尽くすネ!」
『もう殆ど神楽ちゃんに食べ尽くされてるけど!?』
「お前は一生卵かけご飯でも食ってろ!!」
「ちょっと二人とも食事中に暴れないで下さいよ!」
おかずを取り合う2人を新八くんが宥める
何ていうか…万事屋は本当に賑やかだ。
見ていて何だか安心するし、ちょっと面白いし。
『…』
でも、この3人を見ていると…まるで真選組を、あの人達を見ているようで
チクッ
同時に少し、胸の奥が痛くなる