第1章 人に豚とか言うのは失礼だ
『ちょっと待ってください副長!!』
あの後すぐに副長たちの所へ行き必死に抗議した
『何で私が一番隊なんですか!!』
「仕方ねェだろ、毎回必ず各隊に一人は入れなきゃなんねーんだ」
『だからって何で私がっ』
「まあまあ落ち着け結衣ちゃん」
様子を見ていた近藤さんが私の頭を撫でながら言った
「急ですぐには納得出来んかもしれんが言い替えればそれだけ結衣ちゃんに期待してるってことなんだ」
『…期待…?』
「そうだ。入隊してからもう3年になる、昔は握ることさえも怖がっていたその刀も今ではお前の左腰の鞘にしっかり納まっている
もうお前は立派な一人の侍だよ、結衣ちゃん」
そう言って私の頭をポンポンっと2、3回軽く叩くと近藤さんは部屋を出て行った
「とりあえず今日は総悟と見回り行ってこい」
『…』
副長の言葉に黙って頷くと彼もそのまま部屋を出て行った
あれ…?
沖田隊長と見回りって…今日から!?
普通こういうのってちゃんと挨拶とか準備とかってあるんじゃないの!?
私は副長を追いかけようと急いで部屋を飛び出した
その瞬間、
『ぐふッ…!!』
何かに足が引っ掛かり思いっきり転んだ…
いや、正確には引っかけられたの間違いだ
顔を上げて振り向くとこれから私の上司になろう男が悪戯な笑みを浮かべて立っていた
『沖田隊長!!何するんですか』
「悪い悪い、縁側走ると危ねーから止めてやろうと思ったんでィ」
『そんなの口で言えばいいじゃないですか!いっいだだだだッ…』
沖田隊長は私の頬を左右に思いっきり引っ張った
「誰に口答えしてんでィ」
『す、すみまふぇん…』
私の頬を離すと沖田隊長は手をハンカチで拭った
汚いってかコラァ!
「何見てんでィ、早くしろ」
『え?』
「俺と巡回だろーが」
『あっ、でも準備とか挨拶は…』
「んなもんする必要ねーだろィ、お互い名前知ってんだし」
言われてみれば…確かに。
『…そうですね』
「俺が沖田総悟でお前はメス豚」
『そうそう!私がブヒー…って誰がメス豚ですかァ!』
「おーノリ突っ込みたァやるねィ、
メス豚ショーも夢じゃねーぜ」
まじブッ飛ばしたいこの人!!