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星の砂✩【銀魂】

第25章 人は試練を乗り越え強くなる【真選組女中編⑤】


「それでは、いってらっしゃーい!」

笑顔で手を振る係員に見送られバタンッと扉の閉まる音が響いた

『…。』

「思ったよりは早く乗れたな…」

『そ、そうですね…』


し、

しまったぁああ!!!

よりにもよって何で観覧車に乗ろうなんて言い出しちゃったんだ私!!!

だってずっと座っていられてホシを捜せる乗り物って言ったら観覧車くらいしか思いつかなかったんだもん!

いや、やっぱそれにしたって何で観覧車なんだ…!

ただでさえこれ以上気まずい空気を作りたくないっていうのに
こんな狭い空間に2人でいるなんて絶対に耐えられる気がしない。

さっきから何度呼びかけても杏子ちゃんからの応答も無いし、もう一体どうしたらいいんだろう。

「オイ、」

『いや違うんですよ沖田隊長!観覧車に乗ろうって言ったのは高い所からの方が見つけやすいんじゃないかと思ったからで…それ以外は本当に別に何も考えてなかったんです!!すみません!』

「…は?いや何も言ってねェよ…」

早口で話す私に沖田隊長は意味がわからないといった顔で眉間に皺を寄せた

「…で、見えんのかィ?ホシの野郎は」

『あ…いえ、今のところは見当たりません。…ハズレだったかも…』

ゴンドラの窓に手をつき地上にいる人達を見下ろすが、そこにホシの姿は見えなかった

『やはり建物の中などにいるんでしょうか…?』

「かと言ってその建物が特定出来ないんじゃ、一定の場所にいても意味がねェしな」

そう言って溜息をついて椅子に深く腰掛ける彼を黙って見つめる


…やっぱり、観覧車に乗ろうなんて言わなければ良かったな…。
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