第25章 人は試練を乗り越え強くなる【真選組女中編⑤】
「んじゃ、取り敢えずどっかその辺の店でも入って休憩するか」
そう言って園内のレストランを指差しながら歩き出そうとする沖田隊長の腕を慌てて掴んだ
『あの…それじゃ時間が勿体ないですよ!私は全然平気ですからこのままホシを捜しましょう』
そうだ、これ以上沖田隊長に気を遣わせるわけにはいかない!
「捜すっつってもお前足痛ェんだろィ…今無理して肝心な時に転ばれる方が迷惑でさァ」
『う…それは…確かにそうですけど…』
沖田隊長の言葉に肩を落とし、ざっと辺りを見回す
確かにどのアトラクションも凄い人の列だし、私の足も真っ直ぐに立てているとはいえ、ぶっちゃけ正常とは言えない…。
何とかあまり並ばずに出来るだけ座っていられる乗り物とかはないのかな…。
すると次の瞬間、目に飛び込んできたあるモノを私は勢いよく指差した
『沖田隊長、だったら次はアレに乗りませんか?』
私の指差す先を見つめながら沖田隊長は上を見上げる
「…アレって…
観覧車のことかィ?」