• テキストサイズ

星の砂✩【銀魂】

第25章 人は試練を乗り越え強くなる【真選組女中編⑤】


[ちょ、何言ってるんですか結衣さん!まだ何も始まってないじゃないですか!]

『いや寧ろ始まってもないのにもうこんな状態だから助けてほしいんだけど!!』

最悪だ…こんな状況になるなんて全く予想だにしてなかった!

恋人のフリはホシを追跡する間だけだと思ってたのに…まさかホシを見つけるところからのスタートだなんて聞いてないよ!!


『…』

でも…

考えたら、成功しただけで隊士に戻れる好条件の任務がそう簡単なわけがないか…。

『どうしよう…』

[落ち着いて下さい。状況がどうであれ今更任務を放棄するわけにはいかないんですから、ここは1つ耐えるしかないですよ!]

『え、もうそれアドバイスじゃないよね』

ビシッと言いのけた杏子ちゃんの言葉に苦笑いを浮かべる

[結衣さんはデートや恋人のフリというのを意識し過ぎなんですよ。沖田さんを見てください、至って通常運転じゃないですか]

『そ、それはそうだけど…』

[変に気まずい空気になるのが嫌なら、結衣さんの方から色々話しかけて話題を振ってみてはどうですか?]

『話題?』

[要するに会話ですよ!共通の話題なんかで盛り上がれば遊園地の待ち時間なんてあっという間に感じますから!]

『な、なるほど!』

そっか、普段のように話していれば変に緊張することもないし気まずくなったりもしないはず!

杏子ちゃんのアドバイスを聞きながら頭の中で必死に話題を探していると、突然後ろから沖田隊長に頭を小突かれた

『痛ッ…何ですか』

「何ですかじゃねーや。オメーはいつまでそこに突っ立ってるつもりでィ」

『え?』

沖田隊長から視線を周りに移すといつの間にか前はガラ空きになっており、私1人のせいで後ろが詰まる状態になっていた

『す、すみません!!』

羞恥で顔を真っ赤にしながら後ろに並ぶ人達に頭を下げ、先々と前に進む沖田隊長を小走りで追いかけた

『ちょ、気づいてたんならもっと早く教えて下さいよ!何か私めっちゃ恥ずかしい人になってるじゃないですかっ!』

「別にいいじゃねェか、注目の的になれてたぜィ」

『嫌ですよこんな目立ち方!!』

眉間に皺を寄せ頬を膨らませる私を見て沖田隊長は楽しそうに笑う

そんないつもと変わらないはずの彼の表情に

何故か私はまた心臓がぎゅっと締め付けられた
/ 300ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp