• テキストサイズ

星の砂✩【銀魂】

第25章 人は試練を乗り越え強くなる【真選組女中編⑤】


『っ!?』

って何考えてるんだ私は!!

ハッと我に返り自身の頬を強く叩いた

今は任務に集中しないと…。

- 会話ですよ! -

そうだ会話!
何か話しかけて話題を作らなきゃ!

意を決して横にいる沖田隊長に振り向いた

『あ…えっとや、やっぱり何か違和感ありますよね!』

「あ?」

『ほら、2人で仕事とかはよくありますけど、私服でこういう場所に来ることなんて滅多にないじゃないですか!』

「あー…そうだな」

『はい…』

「…」

終わったぁあ!!
一瞬にして会話終わったんですけど!?

『あ…あのわ、私遊園地って初めてなんですよね!いやこういった場所があるっていうのは知ってましたけど子供の頃は両親からあまり外に出るなって言われてたので…』

「…へェ」

『…ぐっ』

ちょっとぉお!!
人が必死こいて見つけた話題を"へェ"だけで済ますって会話する気ないのかこの人は!!

顔に青筋を浮かべながらイライラを抑えていると突然無線が音を鳴らした為、黙って耳を傾けた

[結衣さん、そういう時は質問形式で話を振ってみるんですよ]

質問形式…。

杏子ちゃんの言葉に頷き、再度沖田隊長に振り向き口を開いた

『あの…ちなみに沖田隊長は遊園地とかってよく行かれるんですか?』

「…別に」

『そ、そうなんですか…』

めげるな私!!

『けど以前局長から聞きましたよ。前に局長と副長、そして沖田隊長で松平公のお嬢さんの彼氏を暗殺しようと遊園地デートの尾行をしたとか』

「あー…そんなこともあったな…。土壇場で土方の野郎が裏切った事だけは今思い返してもムカつくぜィ」

そう言って沖田隊長は眉間に皺を寄せる

『でも…いいですね、』

「…?」

『良くも悪くもそんな風に懐かしめる思い出が沢山あることって羨ましいです。私は皆ほどここ(真選組)にいる時間は長くないですから…』

「…。」

『でもだからこそ、これまでの思い出は大切にしていきたいです』

そう…私はあとどれくらい皆といられるか分からない…だから、

「これからだろィ…」

『え?』

「生きてさえいりゃ…これから思い出なんていくらでも作れんだろィ」

『沖田隊長…』

本当は…思い出なんて必要なかった

『そうですね』

この時の私は、ただ今という時を大切に心に刻んで置きたかっただけなのかもしれない。
/ 300ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp