第24章 計画は大抵計画通りにはいかない【真選組女中編④】
『じゃあ、そろそろ行きましょうか』
「おぅ…」
沖田隊長は一瞬だけ何か考える素振りを見せるとすぐにいつもの調子に戻って軽い返事をした
"入口"と書かれた看板の隣の受付で二人分のチケットを購入し園内に入ると、そこは数々のアトラクションで遊ぶ大勢の人で賑わっていた
い、いよいよだ!
大丈夫、このデートさえ乗り切れば後はいつもの仕事に集中するだけ!
どこにいるかはわからないけど、杏子ちゃんと山崎さんも見ててくれてるんだから私も不自然に見られないように頑張らなくちゃ!!
「オイ大石、」
チケットを握り締め決心を固めていると沖田隊長に名前を呼ばれた為、慌てて振り向いた
『どうしました?』
「どうしました?じゃねェや…さっきから何1人でブツブツ言ってやがんでィ」
『ぇえッ、ま、まさか聞いてました!?』
「聞こえるわけねェだろ、こんな騒がしい中で」
『あ…そ、そうですよね』
ホッと胸を撫で下ろし、苦笑いを浮かべると不意に沖田隊長が私の袖を掴みその場に俯いた
『…あ、あの…沖田隊長?
どうかしたんですか?』
「なァお前…さっきの…」
『え?』
「あれは……ヤキモチかィ?」
そう私の顔を覗き込むようにして言った沖田隊長の顔はいつもよりほんの少し真剣だった