第23章 仕事とプライベートは切り分けろ【真選組女中編③】
沖田隊長の言葉に目を丸くする私に彼は続けて言った
「お前が目覚めたら副長室に呼ぶよう言われたんでィ。早く行って説教なり言い訳なりされるかするかして来たほうがいいんじゃねェか?」
お、お説教ー!!!
間違いない、やっぱり沖田隊長は気づいてて副長達も知ってるんだ!
終わった…私の人生。
半分魂の抜けた状態で沖田隊長の部屋を後にし、副長室へ向かった
『失礼します…』
「入れ、」
恐る恐る襖を開けると神妙な顔をして畳に座る土方さんと目が合った
「とりあえずそこに座れ」
『…はい』
おそらく次に副長の口から出る言葉はあの2文字で間違いないだろう。
でも先に言われる前に最後なら私から言うべきだ!
「お前…」
『すいませんでしたぁあああ!!!』
次の瞬間、私は副長の言葉を遮り必死に頭を下げ叫んだ
『煙草を買いに行くだけのつもりだったんです!それが気づいたら帰れない状況になってて…何度もタイミングを見計らったんですけど出来ませんでした!でもこれは全部隊士でもない私の勝手な行動が原因なんです!深く反省してます!どうぞ煮るなり焼くなり好きなようにして下さい!!』
畳にめり込むほど頭を押し付ける私に副長は眉間に皺を寄せ首を傾げた
「お前…何言ってんだ?」
『え…?』
副長の言葉に顔を上げると不審な目で睨まれた
『だって副長…怒ってますよね…?』
「怒ってねェよ」
『え、でも私を呼び出したのはお説教のためなんじゃ…』
「何を説教すんだよ、まァ確かに煙草に関しては遅ェとは思ったが昨夜は将軍護衛や桂のこともあってそれどころじゃなかったし大目に見てやるよ」
…あれ。
ひょっとして副長…知らないのかな?
でも沖田隊長は…。
あ…。
『…言ってない……?』
「あ?」
『あっい、いえ!何でもありません!
あ、あの…では何故私を呼んだんですか?』
「あぁ、実は以前から張り込んでたホシの1人につい最近大きな動きがあってな…」
『ホシ…?』
「そいつが今度とある場所で別の組織の連中と会うって情報を掴んだんだが、場所が場所なだけあって俺や近藤さんが1人で行くのはさすがにキツいってことで今回お前を呼んだんだ」
『え、その場所ってどこなんですか?』
「…遊園地だ」
『は…?』
副長の言葉に私は目を点にして固まった
