第23章 仕事とプライベートは切り分けろ【真選組女中編③】
あとはこのまま流れで土方さんにも…。
『ささ、沖田さん!じゃんじゃん飲んじゃって下さい』
「あー、その前にアンタが先に飲んでくれやせんか?」
『…え?』
沖田隊長の言葉に目を点にして固まる
「アンタが入れたこの酒、かなりキツめのヤツだと思うんで、どれくれェのモンかアンタが先に飲んでみてくれやせんかねィ」
『きつ…そ、そうだったの!?…あっ、そ、そうですよね〜』
しまったぁ!お妙さんにドンペリ以外全部一緒って聞いてたからお酒の種類なんて全然知らないよ!!
「みっちーさん、それアンタが頼んだテキーラじゃねェか?」
私の持つ酒瓶を見て近藤さんが驚いたように言った
どうしよう…確かにそんな名前のお酒頼んだ気がする。
でもこのまま飲まなかったら沖田隊長達も飲んでくれないし…。
意を決して私はグラスの中のお酒を一気に口に含んだ
『ッ!』
喉を流れるお酒が燃えるように熱く感じ、思わず涙が出そうになるのを必死に堪えた
『お、美味し…です!』
引き攣った笑顔を見せると土方さんと沖田隊長も目を丸くして私を見つめる
そして約束通り2人とも同じように目の前のお酒を飲んだ
よし…とりあえず1杯目。
1杯目はまだ大丈夫だ、このままどんどん飲ませてこの2人に酔ってもらわないと!!
次々と2人のグラスに酒を注いでいく一方で私も火照る顔を押さえながら同じように注いだお酒を喉に流し込んだ
普段あまり飲まないからわからないけど、お酒って結構強いんだな…2杯目なのにもう頭がズキズキする。
「もうみっちーさんったら、いきなりそんな飲ませたらお客さんが酔い潰れちゃいますよ」
いや寧ろそうなって欲しいんですけど…ていうかこのままじゃ私の方が酔い潰れそうな勢いなんですけど!!
将軍と松平公の間に座るお妙さんにツッコミを入れていると土方さんが私の肩を軽く叩いてきた為、慌てて振り向いた
「酒…もう一杯くれ」
『…あ、はい!どうぞどうぞ!』
あれ、意外と乗り気!?
そう言えば顔も少し赤くなってるし…これはもしやチャンスなんじゃ!?
そっと席を立つ私に松平公が振り向き言った
「何だどこ行くのみっちー、せっかくデザートが来たってーのによ」
『えっ…デザート?』
松平公の言葉に反応し、テーブルに運ばれてきたモノに目線を移す
こ…これは!
