第23章 仕事とプライベートは切り分けろ【真選組女中編③】
それから私は銀さんに言われるがまま将軍達のいるテーブルへ戻り、接客を続けた
- え、あるんですか?!土方さん達に気づかれないようここから抜け出す方法が!! -
- まぁな。だが今すぐは無理だ。このまま接客を続けて奴らが酒に酔ったところを隙をついて抜け出すって作戦だからな -
- え…で、でも土方さん達はお酒飲んでませんよ?仕事中だからって水頼んでたし…-
- だから接客するお前次第だっつってんだよ -
- えっ -
- いいか、接客の間出来る限り奴らに酒を飲ませろ。拒否られても奴らが完全に酔うまで無理矢理飲ませんだ。俺はその間外で警備してる奴らを引きつける、そっちはパチ恵がサポートすっから上手くやれよ -
"チャンスは1度だからな!"
…なんて言ってたけど…本当に大丈夫なのかな。
親指を立て店から出て行く銀さんを不安に思いながら見つめていると数人のキャバ嬢達により頼んだお酒が運ばれて来た
「よっ待ってたよ〜。今日はオジサンの奢りだからたらふく飲んでってねー」
「きゃあ!松っちゃん太っ腹〜!!」
『…』
もうあの人将軍の存在絶対忘れてるよね!ハメ外し過ぎだよね!?
「よし、じゃあ俺達も便乗させてもらおっかなー。…トシ、お前ら本当に飲まねェのか?」
「あぁ、もしも将軍に何かあった時に動けねェんじゃ話になんねェだろ」
「近藤さんも程々にしてくだせェよ、介抱するの大変なんで」
近藤さんの勧めにも乗らず、呆れたように席に座る土方さんと沖田隊長
…仕方ない、ここは覚悟を決めて!
次の瞬間、私は目の前のお酒の瓶を手に取り、勢いよく自身と2人のグラスに注いだ
『そ、そんなこと言わずに飲みましょうよお侍さん方!!』
「オイ、何勝手に注いでんだ」
土方さんと沖田隊長に無理矢理お酒の入ったグラスを持たせ、飲ませようと必死に誘導する
「いいよ酒は、今日は飲まねェから」
『そんな、お二人も普段お仕事でさぞお疲れでしょう?今日は日頃溜まってるストレスもどんどん発散していって下さい!!』
「ちょ、人の話聞いてるアンタ!?」
「確かに日頃から土方さんに対してストレス溜まりまくってんで酒飲んで発散すんのも悪くねェかもしれねェなー」
「んだとコラァ!溜まりまくってんのはこっちだわ!」
よ、よし…沖田隊長は何とか飲ませることが出来そうだ。
