第20章 傷は目に見えるモノだけとは限らない
その後の記憶はあまりない。
目が覚めると自室の布団の上にいて、ゆっくりと身体を起こすと足に鈍い痛みが走った
バサッと布団を捲るとその足には包帯が以前よりしっかりと巻かれていて、他に腕や頭にも包帯が巻かれ手当てされていた
ゆっくりと立ち上がり、縁側の襖を開けると眩しい朝日が部屋全体を明るく照らした
日が昇っているということは…丸一日経ったのだろうか。
部屋の端に立て掛けられた松葉杖を見つめていると、私の頬にそっと涙が伝った
『っ…』
「…それは何の涙ですかィ?」
『!?』
突然横から声がして驚いて振り向くと、柱にもたれ掛かりながら私を見つめる沖田隊長と目が合った
『沖田隊長…』
「その足…痛むんだろィ」
『…』
「任務で負ったモン…じゃねェな」
沖田隊長は言いながら私の顔を伺う
きっと…沖田隊長はもう何もかも知ってるんだ。
もう二度と…任務なんて任せてくれないかもしれない。
でも今はそんなことどうでもよくて…。
ただ、自分のせいで命を落とした隊士のことを考えると涙が止まらなかった