第18章 約束は早くしたもん勝ち
「な、な、何ですかこの餡蜜!」
『ね、凄く美味しいでしょ?』
「はいッ!こんな美味しい餡蜜今まで食べたことないです!!」
そう言って目の前の餡蜜を美味しそうに食べる杏子ちゃんを見つめる
『ここの店、私のお気に入りなの。沖田隊長に教えて貰った店でよく巡回中に来たりするんだけど…』
言いながらハッとなって辺りを見回しホッと胸を撫で下ろす
『えっと…副長には内緒だよ!』
私の言葉に杏子ちゃんは笑顔で頷いた
「確かに巡回中にこんなことしてたら怒られますもんね。…でも私もまた来ちゃうかもしれません、とっても美味しいですし!」
『杏子ちゃんが甘い物好きで嬉しいよ。…ウチには辛い物か酸っぱいものかマヨネーズ好きな人しかいなかったから』
「見事に分かれてますね…」
『あ、でも知り合いに物凄く甘党な人がいてね…』
「すんませーん」
言いかけた時、私の座る席の後ろから聞き覚えのある声がした為そっと振り向くと、ついさっき話をしようとしていた人物の姿が目に映った
「あの…俺のいちごかけチョコパフェ、苺がかかってないんですけど…ていうか苺どころかチョコパフェにチョコレートがかかってんですけど。」
「あ、お客様ラッキーですね!チョコレートオンザ・チョコパフェを当てられたのはお客様が初めてですよ」
「いやそうじゃなくて、俺が頼んだの苺がかかったチョコパフェなんだけど。ダブルチョコレートパフェとか頼んでないんだけど」
「お客様ダブルチョコレートパフェに出逢えるなんて奇跡ですね」
「いや作ったのアンタだよね?てかアンタ誰?」
「私はここの従業員です。お雪さんが1週間ほどお休みになられるようなので代わりに店を任されております」
あ…そう言えば今日お雪さんいないな…。
「…ふーん。じゃあいちごかけチョコパフェ頼むわ」
「…こちらです」
「いやだからこれはパフェにチョコがかかっただけのチョコパフェだろうが、俺頼んだのいちご!」
「わかりました、じゃあ苺のせますんで…これでいいですか」
「いやお兄さん人の話聞いてた?俺が言ってんのはまんまの苺じゃなくて苺ソースのほうだからね」
「チッ、苺とチョコなんだから大して変わんねーだろ。さっさと食えよめんどくせぇな…」
「オイ店長を呼べエエエエエ!!」
店員さんの態度に激怒した銀さんは立ち上がり木刀を握る