第18章 約束は早くしたもん勝ち
「あの…何か揉めてるようですけど止めなくて大丈夫なんでしょうか」
『…。』
そう言って心配そうに銀さんと店員さんのやり取りを見つめる杏子ちゃん
例え知り合いでも警察は警察の仕事を…だよね。
溜息をついて私は席を立ち、銀さんと店員さんのいる方へ向かった
『銀さん…』
「あ?…あ、おまっ…」
私は無言のまま銀さんの手に手錠を掛ける
「え…ちょ、オイイイイ!!何しやがんだコラッ!」
『営業妨害、逮捕します』
「待て待て待て!どう考えても悪いのはあいつだろ?客にする態度じゃなかっただろーがッ!!」
騒ぐ銀さんを無視して店員さんに笑顔で振り向く
『もう大丈夫ですよ、この人は私達警察がしょっぴいておきますんで。』
「いやぁ、なんかすみません。でも良かったっスよ…丁度いいところに暇な警察が居てくれて」
ブチッ
『いやぁ…ここのお店の餡蜜がお気に入りでして…。でもまさかお雪さんの他に従業員がいたなんて知りませんでしたよ』
「あぁ、そうなんですね。実は自分、料理とか全然出来なくて今日出てたのも予めお雪さんが作っててくれてたやつなんすよね」
ブチッ
『あーそ、そうなんですか。ちなみにここで働いてどのくらいなんですか?』
「…2日ですけど?」
『店長ぉぉぉお!!店長を呼べエエエエエ!!』
「お前もかィイイ!!」